子が生まれた

 
 
 

2月23日が予定日だった。

だが、3月になっても産まれようとしない娘。
 
なべちゃん(嫁)は、人生初の入院をすることになった。
 
誘発剤を打ち、3日たった
まだ産まれてこない
 
なべちゃんより後に来た妊婦さんが、
どんどんいなくなる。
 
病棟で一番大きな声で、一番長く叫んでいたなべちゃんは、
人生
初の手術をすることになった。
帝王切開だ。
 
 
 
2日まともに寝れなかったので
手術中、寝袋にくるまって寝ていたら
娘が産まれていた
 
びっくりするほど早く、いきなり現れた娘。
 
「おとうさん、抱いてみますか?」
 
タオルに包まれた娘を抱いた。
初めて抱いた娘は、腕の中でぱくぱくしていた。
ずっと口をぱくぱくしていた
 
 
 
 
 
よく、人生が変わる衝撃だったとか
自分の子供が産まれて感動したとか聞いたりもするが
びっくりするくらい、そんな感情は微塵もわかなかった。
 
 
ぱくぱくしてるなぁこいつ…
 
 
と、ずっと口をぱくぱくしてる娘を眺めていた
 
 
 
たぶん、人それぞれ感情の感度が違っているんだと思う。
自分に関していえば、生死感の感受性がすごい低い気がするなぁとは思っている
 
 
誰かのお葬式に行ったとしても、
そこには「死」という事実があるだけで、悲しいとか寂しとか言う感情は
ないわけではないけど、ほとんどない。
 
 
今回も「生」という事実が、いま腕の中にあるだけで
感情がほとんど伴ってこない。
 
 
けど、これは自分にとってすごい良いことだと知っている。
 
 
何かに感情が高ぶって始めたこととか、
テンション高めにやり始めたことが、
いままでの人生で良かったことがあんまりない。
 
 
 
なんとなく、とか
とりあえず、とか
まぁいっか、とかで始めたことの方が
この人生をすごい豊かにしてくれている。
 
そう思う
 
 
 
なので、娘を腕に抱いた瞬間に衝撃が走っていたら
たぶん、今後いろいろ大変になっていたんだろう
 
 
のんびりと少しずつ、じわっと
重なる時間を積み重ねる方が、合ってるんだよなぁって思う。
 
 
なので、腕の中でぱくぱくする娘を見て
ぱくぱくしてるなぁって思ってるのは、とてもいいんだと思う。
 
 
 
とりあえず、まぁあれだ。
 
ようこそ、世界へ
世界は楽しいぞ
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